5/28 にラフォーレにて行われた Sound Horizon のライブを観に行ってきましたよ。
感想は、一言で言い表すならば、まぁ、表題の通り。いや、おもしろかったよ。面白かったけど、今後彼 (ら?) がああいう形でのステージを繰り返すのであれば、まぁ今回の一回だけ観ればおいらは十分かな、という感じ。次あったらまた観に行きたい、と思わせるものではなかった。
Aramari たんを失ったのは大きな損失であったと思う。
今回のライブで参加した歌い手さんは、じまんぐとはるかたんを除けば、YUUKI、KAORI、REMI の 3 人である (登場順に並べてみた)。3 人とも、歌は非常にうまかったと思う。また、それぞれに特性のある歌い手であったとも思う。YUUKI は声量が多くて力強く、また立ち振る舞いも激しいロック・ポップス向きの歌手だ。KAORI は主にバックコーラスを担当することが多かったようだが、丁寧に歌う人だなという印象を受けた。安定感は十分だと思う。REMI は恐らく声楽出身の方ではないかと御見受けする。非常に澄んだ声で、音程の幅も広く、圧巻して「上手い」と思わされた。love solfege で歌っているりんなさんかとちょっとだけ思った。あとでりんなさんの歌ってる曲聴きなおしてみたらじぇんじぇんちがってたけど。
んで、それだけ歌が上手い人が揃っていてそれぞれに個性があるなら問題ないじゃん、とか思われそうなんだけれども、そうではないのだ。なぜなら、彼女たちが紡ぐ歌声によって織り成されるサウンドが、Sound Horizon として期待されていた音楽なのかといわれると、それは違うんじゃないかと言う気がどうしてもしてしまうからだ。
音楽を構成する要素はメロディーとリズムとハーモニーだなどとよく言われるが、実際に一つのトラックを、あるいはステージを作り出す上では、様々な要素がそれぞれに融合して重要だったりする。例えばそれは演奏における技巧であり、迫力であり、魂の揺さぶりであり、あるいは歌声であり、ダンスなどの立ち振る舞いであり、更にはビジュアル的に訴えるいくつかの演出であり、照明であり、それから音響であったりミキシングであったりマスタリングであったり、MC であったり寒いギャグであったり、隠し持っているカンペであったりするわけだ。
でも、例えば一つの楽団を形成する上で、あるいは一つのナンバー (もしくはアルバム、ステージ) を構築する上で、もっとも大切なものは、歌の上手さでも曲の出来のよさでも演奏のレベルの高さでもなくて、それらが一体どういう色を持っているのか、そしてその色が特別な色なのか、ということだと思うのだ。言葉にして言い表すならば、それは「個性」 (personality) と「独自性」 (originality) である。
そういった枠組みで捉えるならば、Sound Horizon の楽曲が持つ独自性はあくまで「物語」であり、さまざまな曲調の中で歌い手たちが演ずる「キャラクター」において、その個性は放たれていた。
言うならば、Aramari たんやじまんぐやはるかたんなんかはそれが出来る人たちであり、YUUKI さんや KAORI さん、REMI さんなんかはそれが出来ない人たちなのではないかと思うのである。だから単純に歌唱力だけを比較し評価するならば、今回のステージに立った歌姫たちは Aramari たんに引けを取らないどころかむしろそれ以上の実力のある方々なのだろうと思うのだが、Sound Horizon として求められるべき魅力を、彼女たちが持っているのかと問われると、今回のステージを観た限りでは激しく疑問なのである。
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