ブラウザのシェアってそんなに重要?
2006-12-29


IE7 のリリースの意義は、プライバシー保護の強化 (フィッシングブロックとか) と、利便性の向上 (タブブラウジングとか)、そして表示機能の精錬にあると思っています。

IE7 のレンダリングエンジンが IE6 に対して変更された点の多くは、W3C などが提唱・勧告する標準に則ったものです。標準から外れる機能の新たな実装として、目立ったものは特に見当たりませんでした (というか、おいら自身は把握していません)。

IE7 のレンダリングエンジンも、Gecko や Opera、KHTML などと比較すれば、まだまだ標準から外れている部分も少なくありませんが、IE6 では顕在化し、「バグ」として認識されていた多くの問題が修正された結果、IE の為だけに書かなければならない特別な記述が、より少なく済むようになったのは確かだと思われます (もちろん、IE6 を考慮しなくてよいのであれば、の話ですが)。

さて、PC 上で動作する Web ブラウザのシェアに関する情報が報じられると、その度にヒステリックな議論がフレームアップするわけではありますが。。。

もう正直、どうでもいいではありませんか。イマドキ、使ってるブラウザ (それも PC で動くブラウザ) のシェアを気にして Web 開発やるなんて、静的型付言語で変数の型を気にしながらプログラミングするぐらい、ナンセンスです。今後、どのブラウザがシェアを占有しようと、かつての醜悪な IE vs NN 的ないわゆるブラウザ戦争みたいな事態に陥ることは、ありえません。Web 開発者は、あくまで標準をベースに設計し、開発すればよいのです。その上で、動作上の有意な差異が認められる部分についてのみ場合分けし、入念にテストを行えばいい。

IE のみを考慮すればいいのであれば、その分開発にかかる費用は減らせるのか? 将来的なメンテナンス費用を考えれば、それは必ずしも正しくありません。IE はこれまでも、メジャーバージョンアップごとに、レンダリングエンジンの仕様を大きく変更してきました。IE7 では HTML の解釈についてのみ言えばかなり標準に近い実装がなされているので、それを思えば IE8 以降のバージョンアップについてはこれまでほどヒステリックになる必要もないでしょうが、でもそれは Microsoft が Web 標準に対する姿勢を改めた結果の恩恵であり、標準を前提とした上での保証であります。

だとすれば、PC 向けのブラウザに関して、そのシェアについて語ることに、燃料投下以上の意味は無いのではないでしょうか。

UA に対する配慮という意味では、今後は携帯端末や携帯電話に対する配慮の方が重要であるように思います。もっとも、携帯電話については対応の方向性はある程度固まりつつあるように思いますが、フルブラウザを採用する携帯端末が、画面が非常に小さいことに対する配慮というのは、まだあまり考慮されていないように思います。この辺なんかは、現状使い物にならないからシェアが小さいのであって、サイレントマジョリティ(笑)は考慮されるべきものなのかもしれません。知らんけど。

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