裁判と報道、それから司法のこれからについて。
2007-09-22


結論から言えば増やすべきです。日影なすやんはこれ以上質の悪い弁護士を増やすべきではないとしていますが、実際弁護士の質が悪いのは、法について責任を持って語れる人材が極端に少ないからという事情もあるのではないかと思っています。少なくとも、先に挙げた秋田の例のように、県内に自分ひとりっきりしか弁護士がいないという状況下で何年も働いていれば、知識も思想も仕事に対する姿勢でさえも偏向してしまうのは致し方ないのではないかと思います。そういう意味では、メディアに出て積極的に発言している橋下弁護士の姿勢には敬服します。発言内容は微妙にあれですが。

要は橋下弁護士がアフォだと思うならば同じくメディアに出て看破してやればよいのです。そういう弁護士がもっと出てきたっていい。法に関する話題が盛んに取り交わされるにつれ、国民の法に関する関心も高まるでしょう。そうした下地は、今後陪審員制度を運用する上でも非常に大切なことであるはずです。

立法に携わる国会議員の中に、司法経験者が少ないというのも問題です。立法のための人材を育成するという意味でも、司法資格の門戸を広げることは重要です。

もっとも、司法試験を簡単にすればいい、という考え方には、安直さを感じます。そういう問題ではないだろうと思います。実際、現行の難しい司法試験を通過して、アフォなことをやっている弁護士というのは多くいるのですから、そこが必ずしも重要ではないというのは明らかなはずです。

個人的には、短答式・論文式含めて、ペーパーテスト一発で合否を判定するというやり方自体に無理があると思っています。問題の質を変えずに合格基準を下げ、それを通過した人間に対して、3年以上の現場における補助実務を義務付け、その間に挙げた功績等により資格の交付を判定する、といったような、もっと現実的な方法に切り替えるべきなのではないでしょうか?


Sun Sep 23 20:00:54 JST 2007 - 追記

コメント欄にて小倉秀夫さんよりご指摘いただいたように、「秋田県内で弁護士が一人しかいない」という記述は誤りでした。NHK のニュースについてはうろ覚えであったため、情報が正確ではありませんでした。大変失礼いたしました。

名簿の中に「藤里町」が無いので、「秋田県内で一人」ではなく、「藤里町内で一人」と言っていたのかもしれません (そもそも、「一人」という人数も、もしかしたら記憶違いだったかもしれません)。


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