結局はユースケースが練られていなかったってこと。
2006-02-03


東証が誤発注を取り消せない不具合の調査結果を発表、「富士通にも責任がある」 (日経コンピュータ / IT Pro)

不具合の原因となったプログラムは、2000年5月の売買システム刷新の際に、富士通が開発したもの。「富士通による開発過程において、本事象が発生するような条件に対する考慮が十分にされていなかった」と、富士通にも責任があることを明確にした。その上で、「東証のテストでも本事象を想定しておらず、不具合を発見できなかった」と、東証側の責任も認めた。

こういう機能が欲しい、という類の要望を機能要望というのに対し、こういう動作をされると困る、という類の要望を潜在要望などと言ったりします。

後者は顧客の口からは出ないことが多いのですが (親切に教えてくれることのほうが激しく稀)、機能要望からユースケースを組み立ててゆく作業の中で、おのずと見つかり、形作られてゆくものです。もちろん、このような作業は、開発者側と顧客側 (より正確には、ソフトウェア技術の専門家と、対象となる運用内容の専門家) がお互いに情報を出し合い、協力し合って作るものであり、ユーザーはシステムのことは良く分からないからソフト屋に丸投げ、ソフト屋は運用のことは良く分からないから寄越された要望のリストに書いてあることだけが嘘にならない程度のシステムをでっち上げ、なんてことをやっていれば、今回のような事故はもう枚挙に暇が無いってくらい頻発していてもおかしくないわけですな。

だから両社ともにそれなりに責任は負わなきゃならないってのは、まぁ至極当然っちゃ当然なわけで。

もっともシステム開発請け負ってるのは不治痛なんだからもちっとプロ意識見せてユースケース練って不明瞭な部分の洗い出しを徹底してもよかったんでないの? とか思うわけで。別に東証に責任押し付けるつもりは無いんだろうけど、引き下がるべきところはさくっと引き下がっておかないと、何処も怖くて御社に仕事出せなくなってしまいまっせ。まぁ、その方が社員は監視付きのトイレの便器で真夜中にべそかいたりせずにすんでいいのかもしれんけんども (-_-) 。

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