しかしそれでも、おいらとしては仙石さんに同意できる部分は多くあります。おいらの場合、「信念」などというたいそうな言葉を使うつもりはなくて、かといって「人生プラン」なんてスーツの似合いそうな言葉wで茶を濁すつもりも全然なくて、月並みではありますが「目的」ぐらいの言葉が最も妥当なんではないかと個人的には思っております。
技術者に限ったことではないのですが、目的意識のない人間が、それでも仕事をこなすということに、あまり意味を感じないのです。もちろん、現実問題として収入を得て自活する必要に迫られるのは確かですし、収入を得ること自体が目的になりうる可能性も否定するつもりはありません (平均的な物乞いが現在得ている収入を知らんのでなんともいえませんが、生活レベルやコミュニケーションなどの面もありますので、「金が欲しいだけなら坊主かホームレスにでもなればいい」なんて極端なことは言いません)。なので、自分がそれまで学んできたことに対して、何らかの目的意識を持ってそれらに臨んできたわけではない、ということであれば、仕方がないのでとりあえずは「無難な就職」を実現しておくのが良いのではないか、という意味では徳保さんと同意見です。
とはいえ、それはあくまでも「とりあえず」の選択であるべきです。つまり、「人生選択を保留する」という考え方です。そして、そのためには再選択が行いやすくなるようなポジションを確保しておかねばならない、ということになります。
以上を踏まえた上で、最初に仙石さんが取り上げていた 3つの要素について、おいらなりの視点を書いてみることにします。
「成功している会社」「勝ち組企業」にある程度長い期間勤めていたという経歴は、どこへ行ってもそれなりに評価されます。成功体験を積んでいるということが、成功を収めるためのノウハウをある程度持っているという意味で捉えられるのでしょう。もちろん、そういう会社に勤めていたことが、結果として個人の成功体験に結びつくとは限らないわけですが (^_^; 、再就職の際にはその辺はあんまり吟味されないことが多い気がします。
もちろん、経歴に関して細かいことを聞かれるようなことがあって、それに対して答えがあやふやになってしまうようでは、相手に不安感、不信感を覚えさせることになります。与えられる仕事、自ら取り組む仕事の一つ一つに対して、いかに意識を持って仕事に取り組み、打ち込んでゆくかという、実質的な経験をつむことが、結局は重要になってきます。
翻せば、会社全体としては落ち目であっても、自分が取り組んだ仕事において何らかの成功体験を経験として刻み込むことができれば、自分がこなしてきた仕事に関して饒舌でいられるでしょうし、まともな経営者であればそういう部分は必ず評価してくれます。なので、「安定した会社」であるというのはいいことではあるけれども、ものすごく重要なこと、というほどのものではないと思っています。
大きな会社がいいか小さな会社がいいか、というのも、その人の持つ志向によって変わってくるんではないかと思います。いろんな会社を渡り歩くことを考えているのであれば、大きな会社で働いていたという職歴はそれなりに役に立ちます。いずれは起業したいと考えているのであれば、小さな会社を何社か渡り歩いて経営者の行動を身近に知っておくということがかなり参考になったりします。
健康保険や厚生年金、各種手当てなどは、その会社に一生勤めるつもりでいるのであれば重要かもしれません。有給休暇のない会社に就職してはいけません (労働者の最低限の権利のひとつ)。残業については、たとえば SIer を志す人であるならば、その業種を選んじゃった時点で諦めなきゃいけないかもしれません (業種ぐらいは調べておけ、って言った理由にはこの辺の事情も含まれる)。
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