著搾権はまだ必要ですか?
2005-10-05


まぁ最近は録音機材もデジタル化が進んで割と安く済ませられたりするんで、録音技術をしっかり勉強すればレコーディングだけは個人でも結構立派にできちゃったりするわけですが (だから最近は同人が元気なんだな)、先日の Sound Horizon のステージとかを観るにつけ、あー、やっぱりレコード会社のバックアップってのは、音楽家がやりたいことをより大きく実現する上では重要だよなーとか思ったりするわけですよ。


続いて、この CNET の記事に対してトラックバックを飛ばしていたブログの中から、いくつか共感できるコメントを紹介したいと思います。

iPodへコピー不可にすれば問題解決ってあ〜た……こわっ! (Neverクリニッキ ver.SyncStyle さま)

出た〜!恐怖の既得権益発言。他に方法がなかった時代にできた補償金な訳でしょうに。常にゼロにできるように考えていくべきものでは? 今やちゃんと個別に課金できると思うけどなぁ〜、本気でホンマにやる気さえあれば…。ちうか、これまでにだってそう考えて来たハズではないの?補償金なんだし。補償金が必要ない制度を目指していくのがスジやん。

おっしゃるとおりだと思います。補償金はあくまで補償金、こいつが徴収できることを前提に業界が組織されているのだとしたら、それは非常に理不尽な話です。そして、音楽の販売形態は、簡単に持ち歩ける CD という媒体をパッケージとして頒布する方法から、持ち歩くのがシンドイ PC という機材へ、ネットワークを介して直接転送するという方法へと移行しようとしています。そして、プログラマブルな手法により、ファイル単位でその利用範囲 (ライセンシー) を制御できるようになっていっています。まさに、技術面では補償金制度が必要ない状況作りが可能になってきています。

iPod課金問題について (中年オヤジのやり直し外大生日記 さま)

OSは知的財産権のかたまりです。知的財産権は脱工業化社会の産業の柱となるものなので、国家戦略として保護されています。独占禁止法の根本は消費者を守ることにあります。今、問われていることは次世代の産業として知的財産権を独占禁止法より上位に置くか、そうでないかといってもいいかもしれません。知的財産権が独占禁止法より上位にあるとなれば、消費者の権利が制限されるのは当然です。

その観点から考えると、今回のJASRAC関係者の発言は、それ自体が時代錯誤の発言であっても、結果として消費者の意見より上位に来てしまうということです。だから、この発言をめぐる論議は、単にiPodに録音できるかどうかといった問題ではなく、もっと深い問題につながることまで考える必要があると思っています。

音楽産業の経済効果は微々たる物だといわれています。しかしソフトウェア全般ともなれば話は違ってきます。ちょっと話はずれるかもしれませんが、そういえばビル・ゲイツもこちらの記事で、オープンソースコミュニティに見られるサポート販売モデルと、従来のパッケージ販売モデルに対する見識として、以下のように語っています。

私は常に、安価な製品を大量に販売することが重要だと考えてきました。しかし、それは無償であってはなりません。ソフトウェアを利用することによって、ユーザーは労働時間、ハードウェア、そして通信費用を抑えることができます。その総額は、パッケージソフトの価格をはるかに上回るはずです。それに比べたら、ソフトウェアの価格は誤差の範囲です。システムが顧客にもたらす価値は、システムの価格をはるかに超えるものとなるでしょう。私はひとつのモデルに固執しているわけではありません。やり方はいくらでもあります。しかし、


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