おいらは帰属意識自体はそんなに嫌いじゃないのですよ。
2007-01-14


一見、核心を突いているように見えなくもない文章なのですが、実際のところ、文中の「2ちゃんねらー」を、「日本人」に変えても、「ブッシュJr.」に変えても、あんまり違和感を感じないぐらいの普遍性はあるなぁ、というのが正直な感想。

そういえばおいら自身、つい最近 2ちゃんねるユーザーの帰属意識について指摘したような気がするなぁと思いつつ過去記事漁ってたらやっぱりありました。せっかくなので引用しておきますね。

ただ、最近思うんだけど、2ちゃんねるって、イマイチ 2ちゃんねる以外との繋がりが希薄だよな、って思えちゃうのよね。まぁ、2ちゃんねるに限らず、多くの掲示板主体のサイトにも言えることだけど、ログが流れて dat 落ちする 2ちゃんねるには特に言える事のような気がする。2ちゃんねるって、ひろゆきがいうような「ネットの一部」というよりは、どちらかというと mixi みたいな、独立したコミュニティを形成するもの、という印象の方が強いように思う (もちろん、そのコミュニティは 1 つではなくて、板やスレッドに応じてある程度細分化されているわけではあるのだけれども)。だから、2ちゃんねる使っていない人は 2ちゃんねらーを偏見しがちだし、2ちゃんねらーは 2ちゃんねらーでその中での常識がネットの常識のすべてだと思い込みがちなところがある。帰属意識ばかりが無駄に高くて、自分がない人が多いという意味では、まさに日本の村社会の縮図、って感じもしなくはないけど、それならばその村社会的な悪しき性質をどうにかするという実験がなされるのも、それはそれで有益な気がするんだけどどうなんだろう?

多くの 2ちゃんねらーは保守的で、人権擁護法案のときにも見られたような、「変えたくない」という意識の人が多いように思うけれども、「より良くしたい」という意識の人はあんまりいないような気がする。これもまた、今の日本の民主主義的性質の縮図と言えちゃうのかな。まず前提に「あきらめ」ありきというか。

で、松永さんは 2ちゃんねらー的なキモチワルさの原因を、「帰属意識に基づく正義感」と説明していらっさるわけなんだけれども、おいらとしては、それはあんまりにも一般論過ぎる説明なんじゃないかなぁとか思ってしまうわけであります。2ちゃんねる的な正義感というのは、それ自体はたしかに 2ちゃんねるに限らず、身の回りの人間関係においても、あるいはワイドショーなどに代表されるようなメディアにおいてもそれなりに見られるものではあるのですが、2ちゃんねる的な現象、とまで行ってしまうと、流石にどれもこれも漫画的過ぎて、特殊と言わざるを得ないものが多すぎるんではないの? と思わざるを得ないのです。

世界各国で市民運動があったり、暴動やデモが起こったりするのに比べれば、日本人は驚くほど温厚です。そんな、日本人の為す社会の中で、2ちゃんねらーだけが事あるごとに、決起し、結集し、off と称して何かをやらかす。それも、プロ市民とかでもなんでもない、お互いに面識すらない素人集団がです。このような現象を、「帰属意識に基づく正義感」だけで説明してしまうには、ちょっと弱いんじゃないかと。そう思えてならないのです。

で、じゃあその本質として数えるべき成分は何なのか、と問われても、すぐに回答はできないのですが、考えられる要素はいくつかあります。軽く列挙すると大体以下のようなものです。


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[社会問題、政治等]

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